腸活は何から始める?腸活の基礎知識&すぐに始められる食事のコツ

「便秘でおなかの張りがつらい…腸活してみようかな?何から始めるといいのだろう」

「腸活で肌荒れは改善できる?生活は不規則だし、子育ても忙しい…何から始めるべき?」

おなかの調子が整わなかったり、肌荒れが続いたりして体調の悪さを感じるとき、腸活に関心を持つ方もいるでしょう。
本記事では腸活を何から始めるといいのかについて、お伝えしていきます。

腸活に関する基礎知識や、小腸と大腸をケアするポイント・食事のコツなどを解説しますので、ぜひご覧ください。

腸活に関する基礎知識

まず腸活に関する基礎知識について、以下2つを解説します。

  • 腸内フローラはもう古い!主流はマイクロバイオータもしくはマイクロバイオーム
  • 善玉菌だけがいい菌ではない!腸内細菌の多様性が大切

順番に見ていきましょう。

腸内フローラはもう古い!主流はマイクロバイオータもしくはマイクロバイオーム

腸内細菌をあらわす腸内フローラという言葉は近年あまり使われず、世界的にも以下の呼び方が主流です。

  • マイクロバイオータ:腸内細菌の集団を意味
  • マイクロバイオーム:遺伝子物質を含めた腸内細菌叢を意味

昔は培養試験によって腸内細菌がどのくらいいるのか調べており、このときお花畑(flora)のように見えることが、腸内フローラという呼ばれた由来のひとつでした。

現在は腸内細菌の遺伝子を調べることが多くなり、フローラのイメージと結びつかず、腸内フローラとは呼ばれなくなりました。

善玉菌だけがいい菌ではない!腸内細菌の多様性が大切

以前は、善玉菌や悪玉菌・日和見菌という概念がありましたが、今では「腸内細菌の多様性」が重視されています。

必ずしも善玉菌だけがいいとは限らず、悪玉菌の中にもいい働きをするものがあり、一概に腸内細菌の区別ができなくなったからです。

便宜上わかりやすくするために、悪玉菌や善玉菌という言葉が使われることはよくあります。

ただ現在は区別するより「多種多様な腸内細菌がバランスよく存在するほうが健康的である」という考え方が一般的であることを知っておきましょう。

腸活とは小腸と大腸のケア

腸内環境を整えることを腸活といい、小腸のケアと大腸のケア、それぞれが必要です。

「腸活=腸内細菌バランスの正常化」と考えてしまいがちですが、それだけではないので知っておきましょう。

では、小腸と大腸をケアするポイントについて、順番に解説していきます。

小腸ケアのポイント

栄養を吸収する役割をもつ小腸のケアは、絨毛(じゅうもう)をつくることと、細胞同士のバリア機能を形成することが大切です。

絨毛の表面積が増えると吸収効率がよくなりますが、現代の多くの人はしっかり形成されておらず、伸びていません。

リーキガットという細胞同士に隙間が空いてしまい、消化されていない高分子の異物が吸収されることで、腸に炎症が起きることもあります。

そこで、小腸のケアでは以下の栄養を摂っていきましょう。

  • ビタミンA・ビタミンD・亜鉛・マグネシウム|粘膜の形成
  • ビタミンB群|新陳代謝
  • グルタミン(アミノ酸)|エネルギー源

粘膜である小腸を形成するためには、ビタミンAとビタミンD・亜鉛・マグネシウムが必要です。

亜鉛にはバリア機能を高めて、異物の侵入を防ぐ役割もあります。

また、小腸は数日で細胞が入れ替わります。
新陳代謝を潤滑におこなうためには、ビタミンB群を摂取していきましょう。

そして小腸を動かすエネルギー源には、糖質ではなくアミノ酸のグルタミンが使用されます。

グルタミンは体の中で合成されるほか、生のお肉やお魚に多く含まれており、加熱するとなくなります。
お刺身からなら、グルタミンを摂りやすいですね。

ただ、毎日お刺身を食べる方はそう多くありません。
そのため、小腸の状態が悪い方はサプリメントからの摂取がいいでしょう。

注意点として、自己判断によるグルタミンの摂取は難しいので、栄養カウンセラーや医療関係者のアドバイスを受ける必要があります。

以下の表に、必要な栄養素をまとめましたので、参考にしてください。

ビタミンA ビタミンD 亜鉛 マグネシウム
・レバー

・にんじん

・カボチャ

・葉物野菜

・うなぎ

・鮭

・レバー

・干し椎茸

・キクラゲ

・アンコウの肝

・牡蠣

・ナッツ

・全粒穀物

・魚全般

・貝類

・全粒穀物

・マメ

・ナッツ

・海藻

・葉物

大腸ケアのポイント

わかりやすくいうと、大腸のケアは善玉菌の維持です。

大腸のケアでは、以下を摂取しましょう。

  • 発酵食品
  • プロバイオティクス
  • バイオジェニクス

たとえば、乳酸菌やロイテリ菌・ビフィズス菌・酪酸菌などを摂っていきましょう。

注意点として、個体差があるので必ずしも「これを摂れば大腸ケアになる!」とは一概にいえません。

人によっては

  • 発酵食品を食べて便秘になった
  • 食物繊維を摂ると膨満感がある

といった体調不良につながるケースもあります。

このような場合は摂取量を控えたり、受診して医師と相談したりするといいでしょう。

一方摂取することによって調子がよければ、続けていくといいですね。

「腸活=発酵食品や食物繊維の多いものを食べること」というイメージをおもちの方は多いかもしれません。

しかし実際には個体差を見抜き、腸の現状に合う食品を食べながら、改善していくことが腸活です。

合わなかった食材をいずれ食べられるようになり味方につけ、健康へつなげることを最終的な目標に、腸活をしていきましょう。

腸活のメリット

ここからは、腸活のメリットを以下2つ紹介します。

  • 全身の体調が整う
  • ダイエットになる

順番に見ていきましょう。

全身の体調が整う

腸活によって腸の状態の改善や、自分に合う食材の見極めをしながら栄養を摂取していくことで、体調が整います。

これまで下痢や便秘・膨満感などで悩んでいた方は、症状が起こりにくくなるでしょう。

また腸活によっていずれどのような食材でも食べられるようになれば、摂取できる栄養の幅が広がるので、健康への鍵となります。

腸活のメリットは腸だけでなく、体全体の健康につながります。

ダイエットになる

腸活は、ダイエットになります。

腸の状態が改善されると痩せ体質になることが研究で証明されており、理由のひとつにGLP-1の分泌がよくなることが挙げられます。

GLP-1とは痩せ体質にしてくれたり、血糖コントロールをよくしてくれたりするホルモンです。

腸活によってGLP-1が増えることで、ダイエット効果を狙えます。

腸活スタートにおすすめ!簡単ご飯

ここからは、腸活をスタートするにあたって、おすすめの簡単ご飯をご紹介します。

ただし紹介するご飯はあくまでも一例ですので、参考にしながら、ご自身の体調に合わせて食材を取り入れましょう。

朝ごはん例

朝ご飯はまずもち麦入りご飯と、小腸ケアにおすすめのにんじんを入れた、野菜たっぷりの味噌汁を用意しましょう。

加えて鮭や目玉焼きなどで、タンパク質をしっかり取り入れてください。

また冷凍ブルーベリーやにんじんなどを入れた、プロテイン入りスムージーも手間なく作れるので忙しい朝にはおすすめです。

プロテイン入りスムージーの作り方は、以下の記事にて詳しくお伝えしていますので、参考にしてください。

ダイエット中の朝食は重要!ダイエット中の朝ごはんにオススメ簡単メニュー

お昼ご飯例

お昼はつい麺類のような簡単なもので済ませたくなりますが、腸活を意識するのであれば、おにぎりとスープ・サラダを用意して、栄養バランスをとりましょう。

スープは味噌汁でもいいですし、塩ベースなどお好みで用意してください。

以前「スープダイエットは痩せる?脂肪燃焼のコツは?効果的なスープダイエットのコツとレシピ」でご紹介しました、鶏胸肉やきのこを使った「トマトジュースの具だくさんミネストローネ」もおすすめです。

副菜には、【ねばねば系副菜】を合わせましょう。

たとえば、オクラやなめこ・長芋・納豆などを組み合わせるといいですね。
そしてタンパク質も忘れないように、鶏胸肉サラダチキンや焼き魚などを用意すると、腸活にぴったりのご飯となります。

どの食材もコンビニで手軽に手に入るものばかりですので、ぜひ参考にしてください。

夜ご飯例

夜ご飯の主食はさつまいも、またはもち麦入りご飯を選び、にんじんの入った野菜たっぷりの味噌汁を合わせましょう。
このときさつまいもは、甘ったるいものよりほくほく系のものがおすすめです。

タンパク質は夜ご飯にも欠かせないので、メインには肉野菜炒めをチョイスします。
炒め油には、酸化しにくいオレイン酸を含むオリーブオイルを利用するといいですね。

さらに、ほうれん草のおひたしのようなビタミンAの多い小鉢を合わせると、腸活に適した夜ご飯になります。

腸活に関するよくある質問

最後に、腸内細菌に関するよくある質問にお答えしていきます。

腸活にはマッサージや運動は必要ですか?

はい、正解です!

実は日本人の腸は、欧米の方に比べて形が悪いです。マッサージついて詳しく知りたい方には、マッサージや腸もみの方法などが記載されている以下の本がオススメです。

【ねじれ腸 落下腸 滞った便がグイグイ出てくる 快うんマッサージ】
著:水上 健

腸活にはサプリを活用しても大丈夫ですか?

はい、大丈夫です!

サプリの活用は、とくに小腸のケアにおいておすすめです。
よく使用されるサプリには、グルタミンやビタミンD・ビタミンAがあります。

※ただしグルタミンとビタミンAに関しては、健常者があえてサプリメントで摂る必要はありません。

下痢や炎症など腸の症状がある方に多量に必要な栄養となりますので、自己判断は避け、お医者さんや栄養カウンセラーの指導のもと摂取してください。

キムチやヨーグルトは腸活にいいですか?

キムチはおすすめしません。また、ヨーグルトを食べるなら、乳製品ではなく豆乳ヨーグルトがいいでしょう。

まずキムチについては乳酸菌が多いものの、塩分が多く辛いため、胃がんの発症率が高まることが報告されています。
胃に負担がかかりやすいので、キムチは嗜好品程度にとどめておきましょう。

また、乳製品のヨーグルトにはカゼインが多く含まれており、人によって炎症の原因になります。
豆乳ヨーグルトでしたら、多くの人は問題なく食べられるでしょう。
ただし、豆乳ヨーグルトも合わなければ、無理して食べずに控えてください。

キムチやヨーグルトを否定はしませんが、発酵食品を選ぶなら日本人の食文化に根付いている味噌や納豆のほうが、より私たちの体に合うでしょう。

WRITER

吉冨 信長(よしとみのぶなが)

1977年生まれ (株)コミディア代表取締役 栄養カウンセラー、分子栄養学セミナー講師、日本脂質栄養学会会員、日本微量元素学会会員

2000年東京理科大学卒業後、SE業界へ。
SE業界を引退後、2007年青果業界へ転職し、2013年から食と栄養に関する健康情報をSNS等で日々発信し、講演会やセミナーではいつも満員となる人気講師に。

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