『ショウガの栄養学』ショウガのパワーで冷え・低体温を解消!

今日は『ショウガ(生姜)の栄養学』について話していきたいと思います。

 

冬は、低体温や末端冷え性などに悩む方が増えます

そもそも夏場、キンキンに冷えたエアコンの環境下で過ごしていると、自律神経のバランスが崩れがちに。

すると、低体温や冷え性などの症状は外気温が高い時はまったく気づかないのですが、外気温が下がる冬になると、そういった症状がより強く出てきます

 

加えて冬場は冷たく乾燥し、インフルエンザや風邪などのウイルスの感染症にもやられやすいので、体温と免疫力を上げておく必要があります

ショウガは本当に使えます!!

そんな中、今回のテーマのショウガは、本当に使えます!

 

もちろん他の栄養素も大事で、ビタミンやミネラルがあっての話ですが、ショウガを摂ると低体温、末端冷え性がかなり改善されます

私も元来末端冷え性でしたが、結構ショウガで解消されています。

 

しかし、理論では分かっていても実践しない人も多いので、今日はちょっと実践的な内容も、あわせてお話ししていきたいと思います。

ショウガについて

さて、ショウガは今では野菜として普及していますが、元々は生薬として、古来より

・発散作用(血管や細胞を広げて代謝を上げる働き)

・健胃作用(消化を助けて吐き気を減少させる働き)

・殺菌作用(インフルエンザとか風邪などを防ぐ働き)

・強壮作用

など、伝統的な民間療法で利用されてきました。

 

また熱帯アジア原産とされていますが諸説あり、中国では紀元前650年前から使われ、インドでは紀元前50年には利用されていた、といった記録があります。

ショウガの薬理的効果①

論文によるとショウガは漢方薬の約7割に用いられている、との記載もあり、さまざまな薬理的効果があります。

 

その薬理的効果で有名なのは、

・吐き気、嘔吐止め(乗り物酔い、つわり、手術後、化学療法など)

・消化促進作用(特に胃腸は弱い人は食前にショウガ汁を飲むと、消化が良くなったり、胃もたれしにくい)

・その他、免疫力の向上、抗微生物作用(殺菌作用)、熱産生(体温を上げる)、血行改善、発汗作用、冷え症改善、解熱、鎮痛作用 などです。

現代人にはショウガが必要だということがよく分かりますね。

ショウガの薬理的効果➁

他にも、ショウガにはたくさんの薬理的効果があります。例えば、

咳止め、関節炎

・抗酸化作用

・抗炎症作用

・抗腫瘍作用、抗がん作用

・抗糖尿病効果 など

があり、慢性疾患などに対する予防効果も高いということが分かっています。

 

ここで、抗糖尿病効果についてのグラフを見てみましょう。

これは2型糖尿病患者さん41人を対象とした研究で、2g/日のショウガパウダーを摂った結果です。

Iran J Pharm Res. 2015 Winter; 14(1): 131-140

ショウガパウダーを摂らないオレンジ色のグラフのグループに対して、ショウガパウダーを摂った青いグラフのグループは、空腹時血糖 Fasting Blood Sugarがなんと12%も低下したほか、HbA1cや動脈硬化の指標 ApoB/ApoA-I比、過酸化脂質の指標 MDAも大幅に減少しており、少人数ではありますが、糖尿病に対する薬効作用も認められています

 

ショウガのおもな3つの効能成分

さて、ショウガのおもな効能成分は、

・ジンゲロール

・ショウガオール

・ジンゲロン

の3つです。

 

実は、生の状態で含まれているショウガの効能成分としてジンゲロールがあり、これを加熱したり乾燥させると、ジンゲロンやショウガオールというものに変換されるということが分かっています。

 

特に薬理効果を発揮するのがこのジンゲロールやショウガオールで、なかでもショウガオールが今注目されています

ショウガオールとは?

ショウガオールは、ショウガを乾燥したり加熱した時に、ジンゲロールが脱水されてできた辛味の成分です。

 

このショウガオールはなんと、がん細胞の成長を阻害し、アポトーシスまた細胞死を誘発することがわかっています。しかも、これはがん細胞に特化していて、正常細胞は影響を受けません。

 

ショウガオールは、ジンゲロールよりもはるかに高い抗がん作用を示し、抗酸化酵素とグルタチオンを高めるといわれ、体を温める効果もより高くなっています

ジンゲロールとは?

とはいえジンゲロールにも、抗がん作用、抗炎症作用、抗酸化作用などの薬理効果があります

 

ジンゲロールは基本的に生のショウガに多く含まれます

末梢の毛細血管を拡張させて血流を促進するため、どちらかというと末端冷え性の人には効果があるかもしれません

 

ただし、体の芯を冷やす解熱作用があるため、どちらかというと、例えば熱が40℃近くある時など、体温が上がりすぎている人にはこのジンゲロールを逆に体の深部体温を上げたい時はショウガオール、つまり加熱もしくは乾燥したショウガを使うとよいと言われています。

さいごに - ショウガは日々、少量でも習慣的に摂りましょう!

ということで、末端冷え性や低体温に悩んでいる方は、ぜひショウガを使ってください

ただし、ミネラルとビタミンは充足した上で使った方が効果は早いです。

 

さまざまな薬理的効果が報告されているショウガ。

特に冬は感染症が多い時期です。やはり免疫力を高めて、殺菌効果を高めなければいけません

そうなると、体を温めて免疫力・殺菌効果も高めるショウガは本当に使えます!

 

実践に勝る理論はありません。

たまに食べるのではなく、1日ひとかけらとか2、3gなどで結構ですから、ぜひ日々習慣化して使ってみてくださいね!

WRITER

吉冨 信長(よしとみのぶなが)

1977年生まれ (株)コミディア代表取締役 栄養カウンセラー、分子栄養学セミナー講師、日本脂質栄養学会会員、日本微量元素学会会員

2000年東京理科大学卒業後、SE業界へ。
SE業界を引退後、2007年青果業界へ転職し、2013年から食と栄養に関する健康情報をSNS等で日々発信し、講演会やセミナーではいつも満員となる人気講師に。

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