『食べる順番ダイエット』の有効性

「『食べる順番ダイエット』は有効ですか?」との質問を、時々受けることがあります。そこできょうは、その有効性についてお話ししたいと思います。

『食べる順番ダイエット』とは?

『食べる順番ダイエット』とは、いわゆる食前サラダのように、野菜、きのこ、海藻類など、食物繊維の多い食材の一品を先に食べてから、メインの料理を食べる食事法です。

『食べる順番ダイエット』のメリットは?

ではその『食べる順番ダイエット』のメリットを見ていきましょう。

食物繊維を得ることができること

毎回サラダなどを食べる習慣をつけることで、食物繊維をしっかり日々摂ることができます。

食後の高血糖を予防できること

食後の高血糖は、脂肪になりやすく体のタンパク質も損傷してしまう可能性がある、非常に怖いものです。

しかしながら、食前にサラダや海藻類などを食べると、腸で糖分の吸収をおだやかにするので、食後高血糖を予防するのに非常によいと思います。

 

気になる方は、血糖測定器を1家に1台持っておいて、食後血糖値を測ってみて、自分の体質や特徴を知るといいと思います。

測ってみると「私はこんなに血糖値が上がるのか」と結構びっくりすると思いますが、そこからしっかり改善して、正常にもっていきましょう。

腸のpHを上げすぎないこと

pHは、0が酸性、7が中性、14がアルカリ性です。

腸管内は弱酸性が良く、血液などの体液は弱アルカリ性が良いのですが、腸管内でpHが上がりすぎてアルカリ環境になると、悪玉菌が一挙に増えます

そこで、pHを上げすぎないようにするのが食物繊維です。

 

というのも、食物繊維を食べると、おもに大腸の中で発酵され、酪酸など短鎖脂肪酸をはじめとした有機酸がたくさん微生物によって合成され、正常なpHが維持できます。

その状態で、例えばお肉のようにpHを上げる食材を食べてpHが一時的には変わっても、すぐ元に戻ります

腸漏れを予防できること

腸が漏れやすい、いわゆるリーキーガットの人が増えており、そういう人は食べると調子が悪いです。

そういう方におすすめしているのが、大量じゃなくてもいいので食前にサラダや海藻類を食べることです。

 

腸漏れは、腸の吸収場所である上皮細胞の間にすき間ができるものですが、食物繊維を摂ると、そのすき間が一時的にくっつくということが最近分かっており、その後タンパク質を摂っても、さほど影響がなくなる可能性があります。

善玉菌のエサとなること

植物の消化酵素

これは生サラダの話ですが、生サラダを食べることにより、私たちの体にいくらか消化酵素を送ってくれて、私たちの消化を助けます。大根やパイナップルが有名ですが、それらの消化酵素によって消化がしやすくなります。こちらは食前に摂るのが圧倒的に効果的です。

胃酸分泌を促進できること

野菜は苦み成分が多いものですが、その苦み成分は、メリットとして私たちの胃酸分泌を促進してくれます。

人にもよりますが、日本人では比較的、空腹時の胃酸は高くても食事をしているときの胃酸が低い人がいて、吸収が非常に弱くなっています。

そこで苦みのある野菜を先に食べることで胃酸分泌を促進でき、それにより消化の吸収率が上がります

はい、『食べる順番ダイエット』は有効です!

ということで、「『食べる順番ダイエット』は有効ですか?」の回答は、「はい、有効です」となります

 

本当は、食べる順番を意識しなくても血糖コントロールができるといいのですが、現代食ではそれが難しい。例えばカレーライスなどは、血糖値がめちゃくちゃ上がります。

 

ですので、血糖値上昇をゆるやかにしていく工夫として、ほかにもさまざまなメリットもある『食べる順番ダイエット』はおすすめです!

WRITER

吉冨 信長(よしとみのぶなが)

1977年生まれ (株)コミディア代表取締役 栄養カウンセラー、分子栄養学セミナー講師、日本脂質栄養学会会員、日本微量元素学会会員

2000年東京理科大学卒業後、SE業界へ。
SE業界を引退後、2007年青果業界へ転職し、2013年から食と栄養に関する健康情報をSNS等で日々発信し、講演会やセミナーではいつも満員となる人気講師に。

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